小学校5・6年生では、英語を教科として学び、成績の評価も行われます。中学校への入学を前に「授業やテストはどう変わるのだろう」と気になっているご家庭もあるでしょう。[6]
一方で、「小学校では楽しくできていたのに、中学に入って急に分からなくなった」ということもあります。英語の苦手を立て直す第一歩は、勉強時間を増やす前に、どこで止まったのかを確かめることです。
中1は、英語の文のルールに本格的に向き合う大きな山場です。この記事では、そのつまずきと毎日の勉強法を整理します。学校の教材を使い、分かること・思い出せることを一つずつ増やしていきましょう。
この記事の目次
中学生の英語は、どこで分からなくなる?

中1の基礎から、英語のルールを立て直す

中1の英語で押さえたい、四つの基本ルール
中1は、その後ずっと使う英語の土台です。三人称、単数と複数、前置詞。日本語とは違う決まりが重なり、最初ほど難しく感じることがあります。
今の問題が解けない原因が中1にあるなら、そこから確認します。用語の暗記だけでなく、短い文を作り、なぜその形になるのか説明してみましょう。
主語に合う動詞を置く
I am busy. / I play tennis.
基本の文では、主語と動詞を確かめます。「忙しい」ならam、「テニスをする」ならplay。be動詞と一般動詞を使い分けます。
三人称単数のs
I play. → She plays.
現在形で、主語がI・you以外の一人・一つを表すとき、一般動詞はplaysのように変化します。疑問文Does she play?では、動詞は原形です。
名詞の単数・複数
a book / two books
本が一冊か複数かで名詞の形が変わります。booksのsと、動詞playsのsは役割が違います。主語・動詞・名詞を分けて確認します。
前置詞をまとまりで覚える
on the desk / in the bag
onやinは、後ろの語と一緒に意味を確かめます。「机の上に」「かばんの中に」のように、絵や実物と結びつけると整理できます。
勉強は「文法・発音・単語」に分けると進めやすい
何から始めるか迷ったら、文の組み立てをつかむ「文法」、音とことばを結びつける「発音」、意味・音・つづりを覚える「単語」に分けましょう。三つを、教科書の短い一文でつなげて練習します。
文の組み立て文法
短い文で、語順と語の関係を確認。
音とことば発音
教科書の音声を聞いて、まねして音読。
意味・音・つづり単語
意味を思い出し、例文の中でも確認。
毎日の勉強は、単語・音読・短い文の練習から

単語は才能で片づけず、毎日思い出す習慣をつくる
単語を知らないと、文の意味が取れない
文法を習っていても、文の中の単語が分からなければ意味を取れません。「知っていれば解けた」という問題を減らすためにも、まず教科書の単語を身につけることが大切です。
毎日、思い出す時間を決める
単語の暗記を、頭の良し悪しや本人の気合いだけに任せないこと。通学の電車やバスで座っている5分、帰宅後の5分など、短い時間に確かめる機会をつくります。
5〜10語を翌日も確認
最初は5〜10語で十分です。意味を隠して答え、音声を聞いて発音し、日本語からも英語を思い出して書きます。翌日には、新しい語だけでなく昨日迷った語も混ぜましょう。
先生との最初の5〜10分を、単語クイズにする
英語が苦手なうちは、授業で問題集を何ページも進めるより、前回の単語を覚えているか確認する時間をつくりましょう。「この単語、意味が言える?」「日本語を見て書ける?」。それだけでも、次に練習する語がはっきりします。
答えを見ずに思い出す練習は、想起練習と呼ばれます。大学生が外国語の単語を学んだ研究でも、一度正解した後に繰り返し思い出した条件は、再学習だけを続けた条件より1週間後の記憶に優れていました。[2]
答えを見ずに言う
前回の5〜10語を、順番を変えて先生が出します。
迷った語だけ確認
意味・音・つづりを確かめ、少し後にもう一度答えます。
短い文につなげる
教科書の一文で意味を確かめ、必要なら書いてみます。
次の機会にも混ぜる
次回も聞く語を決め、家で短く確認できる形に残します。
運営者自身も、友達と単語クイズを出し合い、答えられない悔しさが「次は覚えよう」というきっかけになった経験があります。先生とも、責めるテストではなく、答え直せるクイズにして続けていきましょう。
一緒に復習する先生を探すときは、先生の紹介と指導方針も参考にしてみてください。
普段の勉強は、学校の教科書で一日30分から
教材を何冊も広げず、その日学校で扱ったところを使います。単語、文のルール、音読を別々に終わらせず、最後は同じ教科書の文に戻るのがポイントです。
10分:単語を思い出す
今日の5〜10語と、前に間違えた語を確認。意味・音・つづりのどこで迷ったかを残します。
10分:文の形を確かめる
主語と動詞を見つけ、習ったルールで一文作ります。学校のワークは、答えの理由も言ってみます。
10分:聞いて、読んで、書く
教科書の短い音声を聞いてまねし、意味を確かめて音読。最後に、見ずに書ける一文を増やします。
長文では、まず知っている語と主語・動詞を拾います。聞き取りで止まったら、本文を読めば分かるのか、読んでも分からないのかを確認。前者は音、後者は単語や文法へ戻って練習します。
定期テストは、学校の範囲を自分で解けるようにする

定期テスト前は「学校の範囲を、自分で解ける」に集中
定期テストの対策は、教科書・授業のノート・学校のワークを優先します。きれいなまとめノートを作ることより、答えを隠して自分で解ける問題を増やしましょう。
一週間前:範囲と苦手を確認
提出物も含めて学校の範囲を確認。ワークを一度解き、単語・文法・聞き取りの間違いを分けます。
数日前:間違えた問題を解き直す
答えを写して終わらず、翌日にも自力で解きます。三単現のsなど、間違えた理由を一言で説明します。
前日:基本語と例文を確かめる
新しい教材には広げず、何度も迷った語と教科書の基本文を確認。英作文は、知っている文を使って書きます。
勉強時間と教材を決め、続けられる計画にする

基礎を固めるなら、まず100時間の計画を立てる
中学英語を立て直す学習計画として、文法30時間・発音20時間・単語50時間、合計100時間を目標にします。一日30分なら200日。単語の確認を毎日続けながら、苦手なルールを順に埋めていきます。
文法
文の組み立てを理解する
教科書の例文の意味を確かめ、自分でも文を作る練習を重ねます。
発音
聞く・声に出すを重ねる
短い音声を聞いてまねし、音のつながりと単語を結びつけます。
単語
思い出す回数を増やす
意味・音・つづりを確認し、前に覚えた語も繰り返し思い出します。
合計100時間の配分例。単語の確認や音読は文法の学習にもつながります。今の教材と理解度に合わせて配分を調整しましょう。
30・20・50時間はlumera編集部の配分例です。Cambridge Englishの初学者からA1まで約90〜100時間という指導下の学習目安は、英語全体の参考であり、日本の中学英語の完成時間を示す数字ではありません。[4]
教材は増やす前に、学校の一冊を使い切る
学校の教材を優先
普段の授業や定期テストのために、最初から別の単語帳を買い足す必要はありません。学校でターゲットなどを使っているなら、その本の版に対応する公式アプリや音声を併用しましょう。
本に合うアプリを使う
例えば2026年改訂の『中学英単語1800』は、『学びの友』『英語の友』に対応しています。同じターゲットでもシリーズや版でアプリが異なるため、手元の本の案内を確認します。[3]
文法書は二冊目に
文法書も学校の教材が先です。そのうえで、別の説明や英語のイメージを補う二冊目なら『一億人の英文法』も候補になります。
出版社の対象は高校生から社会人なので、中1の最初に一人で通読するより、基礎を学んだ後に先生と必要な箇所を読む使い方が向いています。[5]
試験対策は必要な分だけ
英検やTOEICなどを目指すときは、その試験に必要な語彙・形式の練習を追加します。まず、今ある教材で足りないところを確かめてから選びましょう。
英語を、テストの先でも使える力にする

定期テストの先でも使える英語を、今から
大人になってから「もっと英語を勉強しておけばよかった」と思うこと、ありますよね。英語を聞いて話せる力は、旅行や仕事、人とのやり取りでも役立ちます。
ただ、大人になると、学び直す時間をまとまって取るのが難しくなります。
だからこそ中学生のうちに、基本の文を理解し、単語を少しずつ覚え、声に出す習慣を身につけたいのです。英語はテストのためだけのものではなく、自分の言葉で人とつながるための道具です。