勉強の話をすると会話が止まってしまう。このままで大丈夫だろうかと心配でも、これ以上つらくさせたくないですよね。再開を急ぐ前に、体調や気持ちの負担も含め、話せる範囲から相談先と一緒に確かめてみませんか。

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「できない」を、一つの意味にまとめない

勉強ができないという言葉には、違う困りごとが含まれます。問題の意味が分からない。教材を見ると学校を思い出してつらい。どこから始めればよいか決められない。

体調が悪く、机に向かう余裕がない。こうした状況では、同じ声かけでも負担が違います。「やる気がない」と決める前に、「分からないのは内容? それとも始めるところ?」

と、答えやすい範囲で聞いてみます。説明したくない日は、聞き取りを続けない選択もあります。

最初の話し合いで、遅れの全体を見せなくてもよい

教科書やプリントを全部並べると、保護者には現状が見えても、本人には量の多さだけが伝わるかもしれません。最初の相談では、「今いちばん気になる教科はある?」

「前に分かっていたところを見るのはどう?」など、選択肢を少なくしてもよいでしょう。何年分も一度に取り戻す計画を先に作るのではなく、一緒に取り組むものを一つ選びます。

学年を戻るときも、本人に説明せず幼い教材へ切り替えるのではなく、必要な確認であることを伝えて相談します。

家庭で使える、再開の相談メモ

紙には四つだけ書きます。一つ目は「今やってもよいと思えること」。読むだけ、動画を見るだけでも構いません。二つ目は「避けたいこと」。

時間を測られること、急に問題を出されることなどです。三つ目は「止めたいときの伝え方」。言葉で言いづらければ合図を一緒に決めてみましょう。四つ目は「次に相談する日」。

これは必ず実行する契約ではなく、本人の希望を共有するメモです。書けない項目は空欄のままにして、保護者の希望と本人の希望を別に記録しておくと、すれ違いを見つけやすくなります。

成果を、問題数だけで判断しない

一問解けたことに加えて、「ここが分からない」と伝えられたことや、疲れたときに止められたことも、次の学習方法を考える材料になります。

ほめる場合も「やればできるのに」ではなく、「分からないところを教えてくれたね」と、その場で確認できたことを言葉にしてみます。ただし、すべてを評価されるのが苦手な子もいます。

どんな声かけが心地よいかを、本人に尋ねることが大切です。取り組めなかった日を失敗と決めず、何が負担だったかだけを確認して、次の方法を見直します。

家族以外の人に頼るときの確認事項

親子で勉強の話をすると、心配と期待が重なって苦しくなることがあります。その場合、学校の相談担当や教育支援センターなどに状況を整理してもらうこともできます。

家庭教師を検討するなら、学力だけでなく、断ったときの対応、休む場合の連絡方法、保護者へ何を共有するかも確認しましょう。

授業の長さ、頻度、変更や解約の条件は、契約前に書面で確かめます。家庭教師を頼むかどうかを決める場面にも、本人が関われるようにしたいところです。

学習支援と、気持ちや体調への支援は分けて考える

勉強を始められたとしても、つらさがなくなったとは限りません。school refusal(不安などに伴う登校困難)を対象とした心理社会的介入のレビューでも、出席と不安では結果が同じではありませんでした[3]。

これは家庭教師の研究ではなく、日本の不登校全体をそのまま代表するものでもありません。家庭での勉強量を、回復の唯一の目印にしないための参考です。

睡眠、食事、体調、本人が感じる負担にも目を向け、必要に応じて専門職へ相談します。家庭教師には、医療や心理の専門的な支援とは異なる役割があります。

保護者も、一人で全部決めなくてよい

どこまで待ち、いつ働きかけるかに、どの家庭にも当てはまる答えはありません。学校との連絡、教材選び、進路の心配を一人で抱えると、判断すること自体が大変になります。

相談先では「何をすればいいですか」だけでなく、「今は何を急がなくてよいですか」と聞いてみてもよいでしょう。休むことと学びの機会を持つことを、二者択一にする必要はありません。

今日できることを本人と確かめ、小さな相談を重ねていく。それを家庭の外から手伝う人を探すことも、一つの進め方です。

参考文献と制度の確認先

  1. Campbell Collaboration:school refusalへの心理社会的介入のレビュー(2015年)

研究の対象や支援方法は、日本の不登校や有償の家庭教師と同じではありません。本文では研究の内容と、学習支援についての提案を分けています。

短い学習を試した後は、負担も一緒に振り返る

一問に取り組めたときも、すぐに翌日の量を増やす必要はありません。終えた後に疲れが強かったか、また試してもよさそうかを本人のペースで確かめます。学習ができたことだけを回復の目印にせず、生活や気持ちの変化も含めて支援者と相談してください。

本人が話せるなら、「説明を聞くのは大丈夫だったが、答えを言うのは緊張した」など場面を分けて聞きます。次回は紙に書いて伝える、保護者が同席するなど、選べる方法を考えます。学習するか休むかの二択だけにせず、負担を小さくする余地があるかを探します。

再開を試して難しかった場合は、その経験を失敗として扱わず、今は何が負担だったかを残します。家庭だけで方法を変え続けるのがつらければ、学校や公的な相談先を頼って構いません。家庭教師を利用する場合も、学習の量を増やす役割だけでなく、本人の反応を共有しながら調整できるかを一緒に確かめてみましょう。

先生の紹介と指導方針を見たうえで、勉強を増やすことより、今できる範囲を一緒に探せるか相談してみてください。