計算はできるのに、文章題になると手が止まる。どの数字を使うか、本人も困っているかもしれませんね。すぐに式を求めず、「何を知りたい問題かな」と、一緒に言葉や図にしてみましょう。
この記事の目次
最初に、何を求めるかを書く
自作の問題です。一冊120円のノートを何冊か買うと、代金は600円でした。何冊買いましたか。この問題で求めるのは、代金ではなくノートの冊数です。
120と600を見て、足すか割るかを急いで選ぶ前に、分かっていることを並べます。一冊の値段が120円、ノート全部の代金が600円、冊数はまだ分からない、と書きます。
本人の言葉で説明できれば、すぐに式が書けなくても進める材料があります。
文章を説明すること自体が難しいときは、値段の部分、合計の部分、質問の部分を指してもらいます。問題文を言い換えることだけを新しい課題にせず、どこまで読み取れているかを確かめます。
言葉で関係を作ってから、xに置き換える
まず一冊の値段×冊数=全部の代金と書きます。120円×冊数=600円という関係を作ってから、求める冊数をxに置き換えます。xはノートの冊数、単位は冊です。
方程式は120x=600。両辺を120で割ると、x=5になります。単位は円ではなく冊なので、答えは5冊です。計算できたあとも、xが何を表していたかを確かめます。
絵を使うなら、ノート一冊120円と、何冊か合わせて600円という関係が見えるものにします。細かなイラストを描くことが負担なら、短い言葉と線だけで構いません。
送料が加わったら、600円の中身を分ける
次の自作例です。一冊120円のノートを何冊か注文しました。送料100円を含めて700円でした。何冊注文しましたか。今度の700円は、ノートだけの代金ではありません。
関係はノートの代金+送料=支払った合計です。冊数をxとすると、120x+100=700。両辺から100を引いて120x=600、120で割ってx=5になります。
700÷120だけでは冊数を求められません。新しい数字が出てきたとき、その数字が何の量かを言葉に戻して確かめます。数が増えたから難しい、とまとめず、合計の中身を分けるところで迷っていないかを見てみましょう。
答えを問題文に戻して確かめる
5冊なら、120円×5冊=600円です。送料100円を足すと700円になり、問題文の支払額と一致します。式を解き終わったあとに、この確認を一行残します。
計算した値が冊数として不自然な場合も、すぐに計算ミスと決めず、式を立てた段階へ戻ります。
例えばノートの冊数が4.5冊になったら、この問題の条件では丸ごとのノートを買うので、量の関係や数字の写し方を確かめる必要があります。
答えが合った場合も、なぜその式かを説明できるかを見てみましょう。似た数字を使った例だけでなく、送料がある例とない例を比べると、合計の意味を区別できているかを確認できます。
式が立たない場所を、そのまま質問にする
一冊の値段と全部の代金は分かりました。送料をどこに入れるかで迷って、式が書けません。
このように、分かった量と迷った場所を分けて先生へ伝えます。式を一つも書けなくても、問題文に付けた印や量のメモを見せて構いません。先生と関係を作ったあと、本人がもう一度言葉の式から書けるかを確かめます。
式は作れるのに計算で止まるときは、途中式から計算ミスを見直す方法へ。次の授業まで何を試すかは、先生と立てる学習計画で相談できます。
文章題を式にする具体例
例として「120円のノートを何冊か買い、500円を払うと20円残った」を考えます。最初から式を作らず、量と単位を並べます。
- 求めるもの:ノートの冊数をx冊とする。
- 使った金額:120円×x冊で120x円。
- 等しい関係:使った金額+残った金額=払った金額。
- 式:120x+20=500。
- 答えの確認:x=4を戻すと、480円使って20円残り、条件と一致する。
式が立たないときは、数字だけを丸で囲むのではなく「何の数字か」と単位を書いてみましょう。解き方を見た後は、次の一手を隠して思い出す方法もあります。
段階的に手順を思い出してから答えを確認する学習については、worked example研究があります。ただし、この記事の例だけで全ての文章題に同じ効果を保証するものではありません。
学び方を整理するための要点と比較
要点まとめ
文章題で式が立たないときは、すぐにxを使わず「何を求めるか」「分かっている量」「量どうしの関係」を言葉で書きます。その後で求める量をxに置き換えます。
文章題を式にする順番
| 求めるもの | 何の数・長さ・金額を答える問題か、単位と一緒に書く |
|---|---|
| 分かる量 | 問題文にある数字が何を表すか、単位を付けて並べる |
| 関係を式へ | 言葉で等しい関係を作り、最後に未知の量をxへ置き換える |
よくある質問
すぐxを置いてはいけませんか?
置いても構いませんが、xが何を表すかと単位を先に決めます。
図は必ず書くべきですか?
量の関係が見えやすくなる場合に使い、図を描くこと自体を目的にしません。
答えが出た後は何を確認しますか?
問題文に戻し、単位と条件に合う値かを確かめます。
別の数字に変えても、式を説明できるか
例題を解けた後は、数字や尋ね方を一つ変えた問題で確かめます。答えを覚えていたのか、量の関係が分かったのかを見分けるためです。式を先に書かせず、何を求めるのか、どの量が分かっているのかを本人の言葉で説明してもらうと、迷う場所が見えてきます。
たとえば単価と個数の問題なら、単価、個数、合計の単位をそれぞれ書きます。文章の数字を順に足し引きするのではなく、「一個の値段に何を掛けると合計になるか」を一緒に確かめてみましょう。図や表が役立った場合は、次の問題でも同じ形で整理できるかを試してください。
家庭教師には、正解を急いで説明してもらうより、本人がどの言葉で迷ったかを聞いてもらいます。文章が読めないのか、計算が難しいのかで練習は異なります。一問で全ての苦手を判断せず、短い文章と扱いやすい数字から、必要な支援を選んでいきましょう。